先日ある記事を見ていたら歯周病と糖尿病との双方向の関連性について書かれていたので、
かいつまんで紹介します。
糖尿病が歯周炎の発生や進行に影響を及ぼすことは現在広く認識されています。
ここでも以前にそのようなことを書きました。
今では歯周炎が神経障害、網膜症、腎症、心筋梗塞、脳梗塞と並んで、糖尿病の合併症の一つに数えられるようになってきているそうです。
また最新の研究結果によると、これらの関連が指摘されています。
・ 糖尿病患者の歯周炎罹患リスクは、そうでないものの約3倍である。
・ 糖尿病患者が重度歯周炎に罹患すると、蛋白尿が生じるリスクが2倍、腎不全に至るリスクが3倍に増加する。
・ 糖尿病患者が重度歯周炎に罹患すると、虚血性心疾患と糖尿病性腎症が合併して死亡するリスクが3倍に増加する。
・ 歯周治療は糖尿病患者の血糖コントロールの改善をもたらす。
このようなことから、糖尿病になったら歯を喪失するリスクが高まり、さらに放置すると重篤な合併症をも引き起こすと言えると思います。
逆に、糖尿病と診断されてすぐに歯科を受診するようになれば病状を軽くする可能性があるということです。
このことから日々の診療を振り返ってみると、歯周病の進行が速い患者さんがたまにいるということを思い出します。
その人たちはもしかすると糖尿病に罹患しているのかもしれません。
今まではそこに関しては患者さんに伝えることはしていませんでした。
しかし、ここで伝えることによって、早期に糖尿病を発見できるかもしれません。
そのことによって良好な結果を生むのであれば、今後は積極的にアナウンスしていきたいと思っています。
また、医科の方でもこのことをどんどん伝えていただき、一緒になって病気の改善を目指すようになれば
素晴らしいと思います。