与野で開業された経緯・動機を教えてください。
開業当初から幅広い年齢層の患者さんが通いやすい医院を目指していました。そのような立地環境を大手ハウスメーカーに探してもらい、私の理想とする歯科医院を一から作ることができるため、この与野の地を選びました。赤ちゃんをベビーカーに乗せて来院される方や高齢の方が通いやすいように、1階に医院を構えバリアフリー環境にして、駐車場と駐輪場を設置しています。

坪井栄範院長
開業当初と現在で患者ニーズの違いはありますか?
ニーズの違いはさほど感じません。ただ、近くにタワーマンションがあるため、お子さんが多いのかなと思っていましたが、意外にも高齢の方が多くいらっしゃっています。ですから、今でもたくさん作っていますが、開業当初は特に入れ歯を作ることが多かったですね。
中高年の方々への診療で注意していることを教えてください。
糖尿病や高血圧などの基礎疾患をお持ちの方が多いため、カウンセリングをしっかりと行い、疾患の有無や服用している薬、生活習慣の変化などを細かく把握しています。

事前のカウンセリングを重視しています。
入れ歯を専門にされたきっかけを教えてください。
歯科大学の入れ歯の授業では、教える先生によって4つ、5つ違う製作理論があるため、全ての授業の中で最も難しく感じながらも、入れ歯製作のスタンダードに関心を持ったのがきっかけです。
貴院には様々な入れ歯のバリエーションがありますが、どのような形でご提案されていますか?
当院では、一人ひとりの患者さんのお口の環境と全身の健康状態を考え、ご希望に沿った入れ歯を提案しています。入れ歯は保険のものを作った後に、自費の入れ歯を作った方が良い入れ歯ができる場合もあります。ですから、最初から自費治療の入れ歯製作を断ることもあります。
また、耐久性、機能性、審美性の3つでそれぞれおすすめの入れ歯を教えてください。
耐久性は金属床義歯ですね。機能性は金属床義歯、磁石式入れ歯です。審美性は金属床義歯、磁石式入れ歯、フレキシブルデンチャー(バネがなく金属を使用していない入れ歯)ですね。患者さんのお体の健康状態を考慮した上でなるべくご希望に沿った提案をし、その中から患者さんに選択していただいています。

誤嚥性肺炎の面で入れ歯のメンテナンスが問題になっていますが、どのように実践すればよろしいでしょうか?
洗浄剤を使用し、ブラシでていねいに汚れを落とすのが基本です。きちんと磨くのであれば、デンチャーブラシでも普通の歯ブラシでもどちらでも良いですよ。
入れ歯は洗浄した後でしたら、つけたまま寝ても構わないでしょうか?
総入れ歯の方には基本的に外して寝ていただいています。ですが、つけていないと残存歯に負担がかかる場合がありますから、つけたまま寝ていただく場合もあります。患者さんの残存歯の状態によりますね。
貴院のスタッフ構成を教えてください。また、貴院のスタッフは開業以来あまり入れ替わりがありませんが、教育面ではどのような点に気をつけていますか?
歯科衛生士が1名、歯科助手が2名です。皆さんとてもよくやってくれているので、細かい注意はあまりしていません。
必要以上に干渉せず、できるだけ働きやすいような環境作りを心がけています。

スタッフ一同
患者さんとのコミュニケーションで心がけていることを教えてください。
患者さんに現在のお口の中の状態を正確に、わかりやすくお伝えし、笑顔でご対応するよう努めています。
貴院は消毒・滅菌にもかなり力を入れていると聞いておりますが、感染予防対策で気をつけていることを教えてください。
患者さんのお口の中に入るものですから、医療機材メーカーの指示通り、基本的なことに丁寧に取り組んでいます。治療器具は使用直残に滅菌バックから取り出し、また紙コップなどは全て使い捨てにしています。特別変わったことをするのではなく、何事にも例外をなくし誠実に取り組むことが大切だと思います。

わかりやすい説明を心がけています。
休みの日は何をされていますか?
子どもと遊んでいます。体は疲れますが、心のリフレッシュになりますね。
お父様も歯科医師でいらっしゃいますが、子どもの頃の患者としての歯科体験で印象に残っていることはございますか?
毎年6月ぐらいになると小学校で歯科検診があり、それを行う校医の先生が父の友人でした。そこで私にむし歯が見つかると、その日のうちに電話がかかってきてそのことを父に報告されまして、それを聞いた父に「恥をかかせるな」とこっぴどく怒られたのをよく覚えています。
歯科大時代での学びや大学病院での業務などの経験で、現在の臨床に役立っていることを教えてください。
大学病院では自分の患者さんの入れ歯は自分で作っていたため、大抵のことはできるようになりました。一から入れ歯を作ることで、治療への理解もより深まりましたね。
歯科医師になられた動機を教えてください。
元々、医療関係に進みたいと思っていましたが、その中でこの道を選んだのはやはり歯科医師である父の仕事ぶりを小さい頃から見ていたからですね。
臨床現場で喜びを感じるのはどのような時ですか?
治療結果に対して患者さんに喜んでいただいた時が一番嬉しいですね。それに勝るものはありません。
貴院の今後の展望・展開を教えてください。
これまで通り、赤ちゃんから高齢の方までの幅広い年齢層の患者さんのお口の管理に長く携わっていきたいですね。

一緒にお口の中の健康を守りましょう。